八卦で読み解く相性 兌✕艮【沢山咸】艮✕兌【山択損】

八卦で読み解く相性 兌✕艮 沢山咸 艮✕兌 山択損 手相鑑定

今回は、喜びや楽しさを象徴する兌(沢)と、安定や堅実さを象徴する艮(山)の組み合わせについて見ていきます。
この組み合わせは、軽やかさと慎重さという一見対照的な性質が交わることで、人間関係や物事の進め方にどのような影響を与えるのかを考えるのに最適です。

さらに、易経の六十四卦の中から「沢山咸」と「山択損」の卦を取り上げ、卦辞や爻辞を直訳しながら現代的に解釈していきます。
日常生活や仕事、人間関係のヒントとして活用できるよう、各爻の意味も丁寧に読み解いていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

兌と艮の相性と沢山咸、山択損の解説

易では乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の八卦の組み合わせで卦を立てて占いを行います。
八卦は擬人化されているのでその人の性質がわかると、より相性をよりイメージしやすくなります。
さらに、卦の構造の上卦と下卦の違いも、この卦が良いものか悪いものかがわかってくるのです。

兌と艮の相性は?

兌(沢)は、喜びや楽しさを象徴する卦です。周囲に明るさや楽しさをもたらす力があり、人々の心を和ませ、関係を円滑にするのが得意です。
また、社交的で会話上手、感情を素直に表現できるため、人を惹きつける魅力があります。

しかしその反面、楽しさや快楽に偏ると軽薄になりやすく、物事の本質を見失う危険もあります。楽しむことは得意ですが、バランスを意識することが大切です。

一方、艮(山)は、安定・堅実・止まることを象徴する卦です。
物事を焦らず慎重に進める力があり、じっくりと状況を見極める観察力に優れています。
また、自己を律し、忍耐強く積み重ねて成果を得ることができます。

しかし、頑固になりすぎると柔軟性を欠き、変化に対応できないこともあります。

兌と艮が組み合わさると、明るさや社交力と、堅実さや慎重さが互いに補完されます。
兌の楽しさや軽やかさが艮の安定性に彩りを加え、艮の慎重さが兌の軽率さを抑えることで、バランスの取れた行動や人間関係の構築が可能になります。

ただし、どちらも性質が極端に出ると、兌の軽薄さや艮の頑固さが目立つため、両者の長所を活かすことを意識する必要があります。

上卦ー沢(兌)、下卦ー山(艮) 沢山咸とは?

☱
☶

沢山咸は30離為火の次の31番目の卦であり、上卦ー兌☱✕下卦ー艮☶の3陽3陰となっています。
互卦は天風姤、綜卦は雷風恒、裏卦は山択損となっています。

この卦は心と心の通じ合いを指していて、誠実さと正しい心構えが重要となります。
自分と他者の心が響き合うことで物事が動きます。
初爻ではつま先が感じて進むにつれて上の部位が感じます。
上爻は頭部や顔に感じますが、表情や言動に注意するように警告されています。

卦辞の原文
咸、亨。利貞。取女吉。

卦辞の翻訳
咸(感応・共鳴)は、亨(通じる)となる。
正しい心構えであれば利あり。
取女吉とは、人間関係や信頼の対象を得ることで吉。互いに心が通じ合うことが幸運を呼ぶことを示す。

 

沢山咸の爻辞

初六:咸其拇。
意味:つま先に感応する。細かいところまで影響が及ぶことを示す。
之卦:沢火革

六二:咸其腓。凶。居吉。
意味:ふくらはぎに感応する。危険ありだが、居を正しく守れば吉。
之卦:沢風大過

九三:咸其股。執其随。往吝。
意味:太ももに感応する。従う者をしっかり支配する必要あり。進むと不利。
之卦:沢水困

九四:貞吉悔亡。憧憧往来、朋従爾思。
意味:正しければ吉。悔いなし。互いに憧れ合い、友情や信頼関係が通じる。
之卦:水山蹇

九五:咸其脢。无悔。
意味:背中に感応する。誠実であれば悔いなし。
之卦:雷山小過

上六:咸其輔頬舌。
意味:顔や口、言葉まで感応。言動に注意せよ。
之卦:天山遯

上卦ー山(艮)、下卦ー沢(兌) 山択損とは?

☶
☱

山択損は40雷水解の次の40番目の卦であり、上卦ー艮☶✕下卦ー兌☱の3陽3陰となっています。
互卦は地雷復、綜卦は風雷益、裏卦は沢山咸となります。

この卦は、初期投資や損して得取れの精神がそのまま表現されています。
四爻までは損(投資)になって、五爻から益を享受できるようになります。
上爻では過度な自己犠牲を戒めるような内容となっています。

卦辞の原文
損、有孚。元吉。无咎。可貞。利有攸往。曷之用。二簋可用亨。

卦辞の翻訳
損(減ずる)は、有孚(信頼)を伴えば、元吉(大いに吉)。
咎なし。正しくあれば利あり。
「曷之用」は、どう使うべきか。二つの簋(食器)を使うことで通じることを示す。
つまり、無理に奪うのではなく、信頼とバランスを重視して調整することが吉。

 

山択損の爻辞

初九:巳事遄往、无咎。酌損之。
意味:すでに行うことは急いでよし。咎なし。慎重に少しずつ調整する。
之卦:山水蒙

九二:利貞。征凶。弗損益之。
意味:正しければ吉。進めば凶。減らすことも増やすことも慎むべき。
之卦:山雷頤

六三:三人行、則損一人。一人行、則得其友。
意味:三人で進めば一人を犠牲にすることになる。一人なら友を得る。(人間関係の整理)
之卦:山天大畜

六四:損其疾。使遄有喜。无咎。
意味:急な問題を減らせば喜びあり。咎なし。(損切りを推奨)
之卦:火沢睽

六五:或益之。十朋之亀弗克違。元吉。
意味:適切に補うことで、仲間と協力すれば大吉。
之卦:風沢中孚

上九:弗損益之。无咎。貞吉。利有攸往。得臣无家。
意味:損から益に転ずる。咎なし。正しければ吉。臣を得られるが、家は持たない。
之卦:地沢臨

沢(兌)と山(艮)の相性と沢山咸、山択損の解説のまとめ

今回は、沢(兌)✕山(艮)の相性と、この組み合わせの卦である沢山咸と山択損の解説をしました。
周易が難しいところは64卦の卦辞と爻辞は原文が漢文であり、翻訳にも諸説があって、それが難易度を上げています。
また、実際に占ってみて結果が出たあとで卦辞と爻辞を「これどうやって当てはめるの?」って困る場面が多いですよね。

卦辞と爻辞を丸暗記すること自体あまり意味がなくて、構成している八卦の相性や動きをイメージすることで、吉凶をより直感的に判断しやすくなると思います。

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