八卦で読み解く相性 兌✕震【沢雷隨】震✕兌【雷沢帰妹】

八卦で読み解く相性 兌✕震 沢雷隨 震✕兌 雷沢帰妹 手相鑑定

八卦の中でも、兌(沢)と震(雷)の組み合わせは、人間関係や意思決定の流れを読み解く上でとても興味深いペアです。
兌は五行で金に属し、擬人化すると明るく社交的で人を楽しませるタイプ。一方の震は五行で木に属し、行動力と決断力に優れ、状況を動かす力を持つタイプです。

この二つが組み合わさると、兌の柔らかいコミュニケーション能力と、震の行動力や推進力が交わり、周囲を巻き込みながら物事を進める力が生まれます。
しかし、気まぐれな兌と突進しがちな震の性格がぶつかると、意見の食い違いや衝突も起こりやすくなるため、バランスを意識することが大切です。

この記事では、沢雷隨(兌×震)と雷沢帰妹(震×兌)の卦をもとに、二者の相性や性格、行動の特徴を詳しく解説していきます。

兌と震の相性と沢雷隨、雷沢帰妹の解説

易では乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の八卦の組み合わせで卦を立てて占いを行います。
八卦は擬人化されているのでその人の性質がわかると、より相性をよりイメージしやすくなります。
さらに、卦の構造の上卦と下卦の違いも、この卦が良いものか悪いものかがわかってくるのです。

兌と震の相性は?

兌は「沢(さわ・みずうみ)」を象徴し、その象意は「よろこび」「説(よろこ)ぶ」「柔順」「受容」。
湖は雨水を集め、すべてを受け入れる場所であり、人との会話を通じて心を解きほぐし、笑顔と共感を生む存在です。

沢(兌)の人は、言葉で人を癒す力を持ち、場の空気を和らげる名人。
しかし、外の世界に合わせすぎると、「人の期待に応えすぎて自分を見失う」危うさもあります。

それでも、沢(兌)は「調和と喜び」を生む天与の感性を持っています。
沢(兌)の力が発揮されるとき、周囲に“ほっとする安心感”が広がります。

 

震は「雷(いかづち)」を象徴し、その象意は「動く」「驚く」「目覚め」「突破」。
雷は暗雲を切り裂き、大地に命をもたらすエネルギーであり、静止を破り前に進むための“衝撃”です。

震の人は、周りを鼓舞し、閉塞を打ち破る存在。
ただ、勢い余って言葉や行動が強く出すぎると、相手を驚かせたり、孤立したりすることも。

しかし、その一撃の雷が、新しい流れを生むのです。
震は“目覚め”の象徴であり、世界を動かすはじまりの力です。

 

兌(沢)と震(雷)が出会うと、「沢雷隨(たくらいずい)」という卦になります。

雷が鳴り、湖面が揺れる。
その震えは恐れではなく、心が動かされる“共鳴”。

震の行動力と兌の柔らかさが響き合い、「導く者と、従う者」のように自然なバランスを生みます。
震が前へ進もうとするとき、兌はその背を押し、兌が迷ったとき、震は雷鳴で目を覚まさせる。

どちらも「人と関わることで輝く」性質を持つため、この組み合わせは恋愛でも仕事でも相性◎。
ただし、震が焦り、兌が遠慮しすぎると、互いに「言葉が届かない」時間が生まれます。
だからこそ――「聞く兌」と「動く震」であることであり、この二人は言葉と行動で共鳴し合う運命なのです。

上卦ー沢(兌)、下卦ー雷(震) 沢雷隨とは?

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沢雷隨は16雷地豫に続く17番目の卦であり、上卦ー兌☱✕震☳の3陽3陰となっています。
随とは従うということを示していて、少女が少年に従う形をしています。

卦辞の原文
随、元亨。利貞。无咎。

卦辞の翻訳(直訳風)
従うこと、大きく通る。
正しく従えば損なし。

 

沢雷随の爻辞(直訳風)

初九:官有渝、貞吉。出門交有功。
意味:役人に従えば吉。外出して交われば功あり。

六二:繋小子、失丈夫。
意味:小人に従えば損。丈夫に従うのよし。

六三:繋丈夫、失小子。随有求得。利居貞。
意味:丈夫に従えば小人を失う。従えば得あり。正しければ吉。

九四:随有獲。貞凶。有孚、在道以明、何咎。
意味:従えば得あり。正しければ凶。信あれば道に従い明らか、何の咎もなし。

九五:孚于嘉。吉。
意味:信を持ってよきものに従えば吉。

上六:拘繋之、乃従維之。王用亨于西山。
意味:拘束されて従う。王、大きく通ず、西山に用う。

上卦ー雷(震)、下卦ー沢(兌) 雷沢帰妹とは?

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雷沢帰妹は53風山漸に続く54番目の卦であり、上卦ー震☳✕兌☱の3陽3陰となっています。
帰妹とは型破りや結婚や嫁に行って出戻りした女性を指しています。

昔は家同士の政略結婚が常識であり、恋愛結婚やましてや女性から男性を誘うことはご法度でした。
現代では昔とは事情が変わりましたが、この卦の本質は現代でも通用すると思います。

卦辞の原文
帰妹、征凶。无攸利。

卦辞の翻訳
嫁に出す妹、征けば凶。利なし。

 

雷沢帰妹の爻辞

初九:帰妹以娣。跛能履。征吉。
意味:妹として嫁ぐ。足悪くても進めば吉。

九二:眇能視。利幽人之貞。
意味:視微(目悪)でも、離れた隠者のようにあれば利あり。

六三:帰妹以嬬。反帰以娣。
意味:嫁ぐも戻る。妹として返る。

九四:帰妹愆期。遅帰有時。
意味:嫁ぐ期を誤る。遅く戻ることあり。

六五:帝乙帰妹。其君之袂、不如其娣之袂良。月幾望。吉。
意味:帝乙の妹が諸侯に嫁ぐ。君の袖は、妹の袖よりも立派ではない。月満ちる頃、吉。

上六:女承筐无実、士刲羊无血。无攸利。
意味:女が籠を受け取っても中身がなく、男が羊を捌いても血が出ない。何をしても成果がない時期。利はなし。

沢(兌)と雷(震)の相性と沢雷隨、雷沢帰妹の解説のまとめ

今回は、沢(兌)✕雷(震)の相性と、この組み合わせの卦である沢雷隨と雷沢帰妹の解説をしました。
周易が難しいところは64卦の卦辞と爻辞は原文が漢文であり、翻訳にも諸説があって、それが難易度を上げています。
また、実際に占ってみて結果が出たあとで卦辞と爻辞を「これどうやって当てはめるの?」って困る場面が多いですよね。

卦辞と爻辞を丸暗記すること自体あまり意味がなくて、構成している八卦の相性や動きをイメージすることで、吉凶をより直感的に判断しやすくなると思います。

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