八卦で読み解く相性 艮✕坎【山水蒙】坎✕艮【水山蹇】

八卦で読み解く相性 艮✕坎 山水蒙、坎✕艮 水山蹇 八卦九星人物辞典

八卦の組み合わせから、人間関係や恋愛の相性を読み解くシリーズです。
山の艮は
水の坎は慎重さや内面の感受性を、雷の震は行動力や勢いを象徴します。
この二つの要素が組み合わさると、どんな相性や関係性が生まれるのでしょうか?

今回は山(艮)と水(坎)の相性と、64卦の山水蒙(さんすいもう)と水山蹇(すいざんけん)の組み合わせを取り上げます。

艮と坎の相性と山水蒙、水山蹇の解説

易では乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の八卦の組み合わせで卦を立てて占いを行います。
八卦は擬人化して考えることで、相性をよりイメージしやすくなります。
さらに、上卦と下卦の位置の違いも、この卦が良いものか悪いものかがわかってくるのです。

山(艮)と水(坎)の相性は?

山(艮)は五行が土であり、擬人化した時は三男や若者を指します。
この要素は安定志向と忍耐力が強く、良い面で言えば堅実さや我慢強さに優れている点です。

悪い面としては、保守的で変化を嫌い、臆病になりやすいところがあります。
そのため行動が遅れたりチャンスを逃すこともありますが、一方で物事をじっくり考えられるため、安定感や着実さが伴います。

 

水(坎)は五行が水に属し、擬人化すると次男や中年男性のイメージです。
このタイプは長所と短所の差が大きく、良い面では優れた思考力や直感力を持っています。

一方で、秘密主義で自分の本心を隠しやすく、不安になりやすいという弱点もあります。
そのため孤独になりがちですが、逆にその時間を活かして知識や経験を蓄えたり、吉凶両面の洞察力を高めることができます。

 

艮(山)と坎(水)の関係は、三男と次男の関係にたとえると分かりやすいでしょう。
艮(山)は安定や忍耐を重んじ、物事をじっくり着実に進めるタイプ。
一方、坎(水)は感情や思考を内側に抱え込み、直感や洞察力で物事を見つめるタイプです。

つまり、艮が「堅実な人」なら、坎は「考える人」。
安定志向と内省的な性質が交わるため、一見地味で動きがないように見えますが、お互いの強みを補い合える関係になります。

艮は坎の慎重さや洞察力によって計画性を高められ、坎は艮の着実さによって思考を現実的に落とし込むことができます。
ただし、バランスが崩れると、艮が臆病になりすぎたり、坎が不安に沈んで行動を控えすぎることも。
良くも悪くも、静かで安定した中に深い学びと成長のある関係と言えるでしょう。

上卦ー山(艮)、下卦ー水(坎) 山水蒙とは?

☶
☵

山水蒙は03水雷屯から続く04番目の卦であり、上卦ー艮☶✕下卦ー坎☵の組み合わせとなっています。
上に山があって、下に水があることは山に霧がかかって周りがよくわからない状態を指しています。
そのため、あまり動き回らずに少しずつ明らかになるように努めます。

蒙とは無知な者や未熟な者を指していて、自分が無知なことを認めて師を求めることを推奨しています。

卦辞の原文
蒙、亨。匪我求童蒙、童蒙求我。初筮告。再三瀆。瀆則不告。利貞。

卦辞の翻訳(直訳風)
蒙、通じる。私が童蒙を求めるのではなく、童蒙が私を求める。初めて筮(占い)を告げる。再び三度冒涜すれば告げず。正しさを守ることは吉。

 

山水蒙の爻辞

初六:発蒙。利用刑人。用説桎梏、以往吝。
意味:学び始める。刑人を用いるのがよい。枷や足枷を使って進むと損。

九二:包蒙、吉。納婦、吉。子克家。
意味:蒙を包む、吉。婦を迎える、吉。子は家を克(守)す。

六三:勿用取女。見金夫、不有躬、无攸利。
意味:女を取ることは用いない。金夫を見る、身には利益なし。どこにも利なし。

六四:困蒙。吝。
意味:蒙に困る。損がある。

六五:童蒙、吉。
意味:童蒙、吉なり。

上九:撃蒙。不利為寇、利禦寇。
意味:蒙を撃つ。寇となるは利なし、寇を防ぐは利あり。

上卦ー水(坎)、下卦ー山(艮) 水山蹇とは?

☵
☶

水山蹇は39番目の卦であり、上卦ー坎☵✕下卦ー艮☶の組み合わせとなっています。
山の上に水があって、上にも下にも行くことができずに停滞しています。
この状態を足がすくんで動けないと表すことで、四難卦(他に水雷屯、坎為水、沢水困)とされています。

卦辞には「東北は利なし、西南は利あり」となっているのは、艮と坎は冬が季節なため、東北はもっと寒い思いをするから西南方向が中庸ということを教えてくれてます。

卦辞の原文
蹇。利西南。不利東北。利見大人。貞吉。

卦辞の翻訳(直訳風)
蹇(困難)。西南は利あり。東北は利なし。大人に会うことは利あり。正しさを守れば吉。

 

水山蹇の爻辞

初六:往蹇、来誉。
意味:困難に向かって進むと、後に誉れが来る。

六二:王臣蹇蹇、匪躬之故。
意味:王や臣は困難にあるが、自身の責任ではない。

九三:往蹇、来反。
意味:困難に進むと、後に逆戻りとなる。

六四:往蹇、来連。
意味:困難に向かうと、連鎖する困難が伴う。

九五:大蹇、朋来。
意味:大きな困難があるが、友や助けが来る。

上六:往蹇、来碩。吉。利見大人。
意味:困難に進むと、大きな成果が来る。吉。大人に会うことは利あり。

艮と坎の相性と山水蒙、水山蹇の解説のまとめ

今回は、山(艮)✕水(坎)の相性と、この組み合わせの卦である山水蒙と水山蹇の解説をしました。
周易の64卦の卦辞と爻辞は原文が漢文であり、翻訳にも諸説があるため、意味を一概に捉えるのは難しいですね。
また、占いをやっていて「これどうやって判断するの?」ということが何度も起こりました。

私が易占いに興味を持って勉強したところ、卦辞と爻辞を丸暗記することはあんまり意味がないと気が付きました。
八卦の相性や構成をイメージすることで、卦の吉凶や仕組みがわかるようになります。

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