八卦で読み解く相性 巽✕坤【風地観】坤✕巽【地風升】

八卦で読み解く相性 巽✕坤 風地観 坤✕巽 地風升 手相鑑定

人生や人間関係、仕事での判断を占うとき、八卦の組み合わせは深い洞察を与えてくれます。
巽は風のように柔軟で、人と人との間を調整しながら影響を与える卦。
坤は大地のように包容力があり、受け入れて育む性質を持ちます。
この二つの組み合わせは、「観察と成長」「静と動」のバランスを象徴しています。

風地観(ふうちかん)は、物事を観察し、流れを見極めてから行動すべき時期を示し、
地風升(ちふうしょう)は、地道な努力が少しずつ実を結び、上昇していくプロセスを表します。

この記事では、風(巽)と地(坤)の性質から見た人間関係や相性、そして「観」から「升」へと移り変わる流れを説明していきます。

巽と坤の相性と風地観、地風升の解説

易では乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の八卦の組み合わせで卦を立てて占いを行います。
八卦は擬人化されているのでその人の性質がわかると、より相性をよりイメージしやすくなります。
さらに、卦の構造の上卦と下卦の違いも、この卦が良いものか悪いものかがわかってくるのです。

巽と坤の相性は?

巽は「風」を象徴し、柔軟さと協調性、そして人との距離感のうまさを表します。
風が吹くように、周囲の空気を読みながらスムーズに動けるのが特徴です。

五行では木に属し、成長や拡大、流通などの象意を持ちます。
擬人化すると「長女」や「中年女性」にあたり、控えめながらも気配り上手で、裏方として全体をまとめます。
ただし、人に合わせすぎると自分を見失ったり、優柔不断になったりすることも。
そのため「柔らかさの中に芯を持つこと」が開運のカギです。

 

坤は「大地」を象徴し、包容力と受容、安定を表します。
五行では土に属し、静かで優しく、他者を受け入れて育てる母性のような性質を持っています。

擬人化すると「母」や「年配の女性」、または「裏方で支える存在」。
人を導くというより、相手の成長を静かに見守るタイプです。

その反面、受け身になりすぎると流されやすく、優しさが甘さに変わることも。
「自分の意志を持って受け入れる」ことが、坤の理想的な在り方です。

 

風と地の関係は、まさに「動」と「静」の調和。
巽(風)が動きを生み出し、坤(地)がそれを受け止めることで、 両者のバランスが取れる理想的なペアとなります。
巽は坤の包容力に安心し、坤は巽の柔軟さに刺激を受けます。

ただし、どちらも“受け身・穏やか”な性質のため、 行動力が弱まると、現状維持のまま停滞してしまう点には注意。
風が止まらず、大地が揺るがない関係性を保てば、 ゆっくりと確実に信頼と成果が積み上がる相性です。

上卦ー風(巽)、下卦ー地(坤) 風地観とは?

☴
☷

風地観は19地沢臨の次の20番目の卦であり、上卦ー巽☴✕下卦ー坤☷の2陽4陰となっています。
互卦が山地剥、綜卦が地沢臨、裏卦が雷天大壮です。

前の地沢臨は上から下へフォーカスするような卦ですが、この卦は観という字から下から上へ俯瞰するような動きとなります。
初爻から三爻は地(坤)ということで、あんまり俯瞰できていませんが、四爻からは一気に俯瞰する流れとなっていきます。
ただ、上爻では俯瞰しすぎて君子の位の人じゃないと何が何だかわからなくなってしまいます。

卦辞の原文
盥而不薦。有孚顒若。

卦辞の翻訳
手を洗って(心を清めて)祈るが、まだ供え物を捧げない。
誠意を込めて心を澄ませ、神聖なものを仰ぎ見るようにして事に臨むべし。
つまり、今は実行よりも“心構えと観察”が重要な時期。

 

風地観の爻辞

初六:童観。小人无咎。君子吝。
意味:幼稚な視点で物事を見る。凡人なら過失はないが、君子にとっては恥となる。
之卦:風雷益

六二:闚観。利女貞。
意味:のぞき見るような慎重さで観察する。女性のような控えめな態度が吉。
之卦:風水渙

六三:観我生、進退。
意味:自分の生き方や行動をよく見直すべき時。進むか退くかは自省次第。
之卦:風山漸

六四:観国之光。利用賓于王。
意味:国家や社会のあり方を見渡し、正しいリーダーに仕えると吉。
之卦:天地否

九五:観我生。君子无咎。
意味:自らの生き方を正しく観察すれば、誤りなし。誠実さが幸運を呼ぶ。
之卦:山地剥

上九:観其生。君子无咎。
意味:人々の生活や世の中の流れを観て、導く者となる。誠の心を忘れなければ咎めなし。
之卦:水地比

上卦ー地(坤)、下卦ー風(巽)、地風升とは?

地風升は45沢地萃の次の46番目の卦であり、上卦ー坤☷✕下卦ー巽☴の2陽4陰となっています。
互卦が雷沢帰妹、綜卦が沢地萃、裏卦が天雷无妄です。

この卦はゆっくりと上昇するという成長と積み重ねを象徴しています。
地(坤)と風(巽)の組み合わせということで、勢いに任せての上昇ではなく、じわじわと緩やかな上昇となります。

卦辞の原文
元亨。用見大人。勿恤。南征吉。

卦辞の翻訳
大いに通じる。賢者(大人)に会って導きを得ると良い。
心配するな。南(明るい方向)へ進むことが吉。
つまり、成長と発展がスムーズに進む時で、努力が実を結ぶ兆し。

 

地風升の爻辞

初六:允升。大吉。
意味:誠実な心で進むことで大吉。信頼を積み上げる第一歩。
之卦:地天泰

九二:孚乃利用禴。无咎。
意味:誠実さをもって小さな祭礼(実践)を重ねれば咎めなし。小さな努力が実を結ぶ。
之卦:地山謙

九三:升虚邑。
意味:中身のない場所に昇ろうとする。見かけに惑わされず、実を選ぶこと。
之卦:地水師

六四:王用亨于岐山。吉无咎。
意味:王が岐山で祭祀を行うように、正しい方法で進めば吉。信頼される行動を。
之卦:雷風恒

六五:貞吉。升階。
意味:正しい態度を守れば吉。段階的に昇進・成長できる。
之卦:水風井

上六:冥升。利于不息之貞。
意味:暗中での上昇。見えない中でも努力を止めない誠実さが吉。続けることが成功の秘訣。
之卦:山風蠱

風(巽)と地(坤)の相性と風地観、地風升の解説のまとめ

今回は、風(巽)✕地(坤)の相性と、この組み合わせの卦である風地観と地風升の解説をしました。
周易が難しいところは64卦の卦辞と爻辞は原文が漢文であり、翻訳にも諸説があって、それが難易度を上げています。
また、実際に占ってみて結果が出たあとで卦辞と爻辞を「これどうやって当てはめるの?」って困る場面が多いですよね。

卦辞と爻辞を丸暗記すること自体あまり意味がなくて、構成している八卦の相性や動きをイメージすることで、吉凶をより直感的に判断しやすくなると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました